こんにちは、薬局薬剤師で管理人のヒューズです🐴
令和4年度の調剤報酬改定では、大きな変化がありました。
近年の改定では、薬剤師側が意識しないと取れない加算がドンドン増えています。
国が本腰を入れて対人業務にシフトしようとしているのを感じます
算定要件が良く分からない加算が増えたよねー
報告書書くのも面倒だし、かかりつけ患者さんいると休みにくくなるから算定してないよ
面倒かもしれないけど、自分のためにも加算を理解して、取れる加算は適切に取るべきだよ
厚労省の調査では、薬剤師は余ってきているとデータが出ています。
すでに首都圏では、薬剤師が飽和してきて、転職しにくくなったり、高年収案件が少なくなっています。
10年前は「高年収700万~」だったのに、今は「高年収600万~」という求人に変わってます
数年後には薬剤師のリストラだってあるかもしれません。
リストラ回避、好条件での転職をするためには自己アピールできる武器が必要です。
武器の一つとしておススメするのが加算についての知識と実績。
「加算の取れる薬剤師」というのは、言い換えると会社に利益を提供できる人材です。
この記事では以下のことを解説しています。
- 会社が社員に求めているスキル
- 2つの人事評価の違いについて
- なぜ加算の知識と実績が必要なのか
- 社内でのキャリアアップを考えている人
- 転職活動を有利に進めたい人
- 自信を持って加算を算定したい人
この記事を読んで、「加算の取れる薬剤師」になりましょう!
加算の知識は薬局薬剤師を続けている間は常に活用できる武器です。
武器を持った強い薬剤師になってください。
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【ここを意識】会社が求めているのは利益を生み出せる薬剤師
会社が即採用したい薬剤師はどんな人材か?
調剤薬局チェーンで採用担当をしていた友人に、どんな点に注目しているのか聴きました。
- 会社利益に対する貢献意識(経営視点)
- 他者貢献や人材育成の重要性についての理解(教育能力)
- 資格や経験など、自身のスキルや強み(自己分析)
会社は、経営的な視点を持って利益を生み、他者を育てる力がある人材を求めています。
なぜなら薬局も営利企業であり、利益確保や企業の成長を追い求める必要があるからです。
薬剤師も基本はサラリーマンですからね。
転職活動で面接するときって、自分の資格や肩書きばかりアピールしていないですか?
頑張ったんだから、資格のアピールは大事でしょ?
研修認定薬剤師や外来がん治療専門薬剤師など、直接利益につながる資格はアピールしてもいいでしょう。
しかし、保有資格や経験は履歴書を見ればわかります。
大事なことはその資格や経験を通じてどんなことを成し遂げたのか。
より詳細に言うと、どんな利益を生み出したのか。
面接官はそこを知りたいと思っているはずです。
具体的に、以下のようなスキルや経験は強力なアピールポイントだと思います。
在宅関連
- 訪問診療時の同行経験
- ポリファーマシー解消実績
- 個人在宅の新規開拓
- ケアマネや訪問看護との連携
- サービス担当者会議や退院時カンファの参加実績
薬局業務
- かかりつけ薬剤師としてのフォローアップ実績
- 加算算定など対人業務の実績
- 業務の効率化を図り残業時間削減
- 薬局長として新人を受け入れて、どの程度薬局長候補者を輩出したか
- 調剤事務をパートナーと認識して、対人業務を推進したか
以上のような視点を持って行動すれば、あなたの市場価値は高まります。
転職活動時の面接で自己アピールする時や、社内面談する時にとても強力な武器になるはずです。
年収アップや待遇について、有利に交渉が進められるかもしれません。
今までそんなこと意識して働いていなかった・・
僕も友人から話を聞くまでは資格や肩書きしか見ていなかったよ(-_-;)
今からでも遅くないから一緒に頑張ろう!
【やるべきこと】伸ばすべきは数字で評価できる実績
会社は利益を生み出せる人材、人を育てる能力を持った人材を求めています。
転職やキャリアアップを目指すうえで、今から何を意識して伸ばすべきか?
利益を作れるスキルを優先的に伸ばすべきだと考えています。
なぜなら、数値で評価することができる実績は、対外的にアピールしやすいからです。
人事評価には大きく分けて「定量評価」と「定性評価」の2種類があります。
以下の具体例を見てみましょう。
定量評価の例
- △△加算を〇件算定した
- OTC前年度比〇%売り上げた
- 不動在庫金額〇%削減した
定性評価の例
- 残業も頑張って積極的に業務に取り組んでいる
- 患者さんの名前を覚えて、笑顔であいさつしている
- 従業員同士の協調を大切にして、和を乱さないようにしている
定性評価の内容は、社内でのキャリアアップや通常業務を行う上で大切な能力です。
しかし、これらの内容を言葉だけで他人にアピールすることは難しいです。
今の職場ではチームワークを意識して、和を乱さないことを大切にしていました!
なるほど、具体的どんなことに気をつけていましたか?
具体的に・・ですか。相手の意見を否定せず、尊重していました。
意見を尊重するだけなら、あなたじゃなくても良いと思いますがどうですか?
そんなこと無い!、、と思います
実際にこのような圧迫面接はしないと思いますが、現場を見ていない他人にアピールは難しいですよね。
転職活動時においては、数値で評価できる定量評価を伸ばすことが大切!
今のうちから定量評価の実績を増やして、市場価値を高めましょう。
【今すぐ行動】加算を算定してアピールできる実績を増やす
数値で評価できる実績を増やすために、自分たちはどうすればいいのか?
例えば、以下のような活動が考えられます。
- 新規在宅獲得のために医院や施設に営業活動する
- かかりつけ患者さんを増やす
- 期限切れ在庫を減らして、経費削減に取り組む
大切な活動ですが、これらの活動は同僚の協力やサービスを受ける方の同意が必要です。
頑張っても期待した成果が出ない可能性もあります。
医院に営業活動なんてしたことないよ
大半の薬剤師がそうだよ。だからこそ強みになる可能性もあるけどね
在宅の新規開拓ができる営業力があれば、会社は喉から手が出るほど欲しい人材です。
しかし、一朝一夕で営業力がつくわけではないですし、勤務時間に営業活動するのは現実的ではありません。
そこで、加算の算定実績を積むことが重要だと僕は考えています。
その理由は以下の通りです。
- 自分だけの頑張りで算定することができる
- 点数が決まっており、利益が目に見えて分かりやすい
- 加算をとる行動はそのまま患者さんのためになる場合も多い
加算算定の実績が増えれば、同僚や後輩から加算について質問される機会も増えます。
その結果、同僚や後輩から信頼され、上司からの評価もよくなるはずです。
加算を取れるようになるということは、定量評価、定性評価のどちらも伸ばすことが可能!
早速明日から意識して算定してみましょう。
加算を算定できるスキルは、どの薬局でも共通で使える便利なスキルです。
【経験を積む】薬剤師が加算を取らないのは知識と自信が無いから
ノルマがある会社もあるし、薬剤師が加算を取るのって普通じゃないの?
そんなことはないです。
多くの勤務薬剤師は積極的に加算を算定していないと感じています。
特に中小規模の薬局に勤めている薬剤師は顕著です。
加算を算定しない(出来ない)理由は、以下の3点が考えらました。
- どんな加算があるのか理解していない
- 加算をとっていいかの判断ができない(自信がない)
- 頑張ったところで上司は評価してくれない
それぞれ深掘りしてみましょう。
理由① どんな加算があるのか理解していない
すべての加算を詳細に理解している薬剤師は少ないです。
はっきりいって、改定のたびに新しい加算が増えて、要件も細かくなり覚えきれません。
技術料などの加算についてまとめた「保険薬局業務指針」を見たことがあるでしょうか?
仕事場に置いてあるけど、字が多くて開いた瞬間に意識が無くなっちゃう
読み物としては全然面白くないからね(;^_^A
この書籍に記載されている内容は厚労省の資料に準じて作られています。
つまり、この書籍に書かれていることが理解できれば、加算について知識が身についたことになります。
少しずつでいいので、自分と関係の深いところから読んでいきましょう。
全部暗記しようとするのではなく、必要な時にすぐに調べられるようにしておくと便利です(^^)
理由② 加算をとっていいかの判断ができない(自信がない)
患者さんとのやりとりは様々です。
今日の服薬指導は、加算を算定できるのかどうか悩んでしまう場合があります。
なぜなら、調剤報酬の説明文は難しく、「これが正解」というわかりやすい答えが無いからです。
厚労省が発表している加算の説明文章は「~など」のような含みや幅をもたせた言い回しが多数あります。
正しく算定出来ていたかどうかの答え合わせは、数か月後の返戻や個別指導の時までわかりません。
加算を算定できそうだと思ったのなら、積極的に算定しましょう。
仮に返戻がきた場合は、その理由を考えて次回に生かすのです。
何事も行動しないと始まりません。
分かりやすい答えがないからこそ、経験値を増やしていく必要があります。
まずは知識をつけて、自分なりの根拠を持つことが大切です。
調剤報酬や加算の知識をつけるためには、以下の2冊は読むべきだとおススメします。
先ほども少し触れましたが、こちらの書籍には正式な文章がすべて記載されています。
調剤薬局には必ず最新版を置くように義務付けられているので、ご自身の職場にあるはずです。
時間のある時に読んでみましょう。
言い回しひとつひとつに注意して、裏に隠されている意図まで考えられると最高です。
保険薬局業務指針を読んでいると、理解しにくい言い回しや、疑問に思う点が出てきます。
そんなかゆい所に手が届くのがこの書籍です。
疑義解釈資料や算定事例なども載っているので、困った時に辞書代わりに使いましょう。
理由③ 頑張ったところで上司(会社)は評価してくれない
頑張って加算を算定しても、上司(会社)が評価してくれなければモチベーションは続きません。
加算を算定すると、薬歴を丁寧に記載したり、病院へレポートを提出したりと仕事が増えます。
評価もされず、給料も変わらず、仕事ばかり増える。
そんな環境のなかで、
技術料が昨年よりも下がっている!加算をもっと算定して!
って言われても、正直やる気はでませんよね。
だからこそ大手は「ノルマ」という形で強制的に算定するように誘導しています。
ここで、考え方を少し変えてみましょう。
加算を算定するのは会社のためではなく、自分の市場価値を高めたり、患者さんのQOLを上げたりするため。
という気持ちで取り組めば、少しやる気が出ませんか?
ノルマのためにやらされて算定する加算と自主的に算定する加算。
どちらが患者さんのためになるのかは明白です。
自分のため、目の前の患者さんのためにも、適切に加算を算定しましょう。
【まとめ】加算を算定して、転職やキャリアアップに活かそう!
この記事では、以下の内容についてまとめました。
- 会社が欲しい人材は経営者視点を持っていて、利益を生み出せる薬剤師
- 対外的にアピールしやすい定量評価(具体的に数値で表せる評価)を伸ばすことが大切
- 加算を算定して自分自身の実績を作ることは、有利な転職やキャリアアップにつながる
- 加算を算定するためには知識が必要。業務指針やQ&Aなど書籍を活用しましょう
加算を取ることは自分、大きなことをいうと薬剤師が仕事をしている証明です!
薬剤師は余り、すでに首都圏では就職者が有利な買い手市場から、企業が有利な売り手市場へとシフトしています。
以下のような薬剤師が仮にいたとします。
- 加算が取れないうえに、動きが鈍くなる中堅以上の年収800万薬剤師
- 加算が取れるか未知数だけど、学ぶ意欲がある新卒年収400万薬剤師
薬剤師のリストラが行われるだろう近い将来では、仮に200万払ってでも800万薬剤師にやめてもらうでしょう。
そのほうが会社にとって有益です。
そして、新卒400万薬剤師を育てるのはだれか?
加算がとれて会社に利益を生み出しつつ、加算算定の知識を新卒薬剤師に指導できるあなたです!
自分の必要性をアピールするためにも加算を算定したり、在宅に積極的に取り組んだり実績を積みましょう。
最新の動向や企業のニーズをより詳しく知りたい方は、転職エージェントに相談することもおススメします。
企業によって詳細なニーズは違います。
一人薬剤師でオールマイティーに動ける薬剤師が欲しい企業もあれば、大勢スタッフがいる店舗を円滑にまわせる薬剤師が欲しい企業もあります。
より具体的な内容は社内の人間か、その企業とつながりのあるエージェントだけです。
現在の自分の市場価値を確認して、立ち位置を見つめ直しましょう。